top of page
検索

幸せの黄色いポストと開聞岳がよく見える西大山駅へ

更新日:8月10日

 鹿児島県指宿市にある、JR九州の指宿枕崎線の西大山駅。この駅は、JRの鉄道の中で最も南に位置する、日本最南端の駅としても知られている。天気がいい午前中は、薩摩富士と言われている開聞岳を順光で撮影することができ、時間があれば列車と開聞岳・日本最南端の駅を示す看板を合わせて撮ることができる。

ree

 上り8本・下り7本がやってくるこの駅は、上りは鹿児島中央駅まで行く列車が3本、山川駅・指宿駅まで行く列車が5本運行。下りは枕崎駅行きが6本、途中の西頴娃駅行きが朝に1本走っている。駅は無人駅で、きっぷの券売機も設置されていないため、乗車の際には車内入口に設置されている整理券発券機で整理券を受け取り、降りる駅で精算する。駅のため、ホームに立ち入る際にも入場券が必要。ただ券売機もないため、入場券の金額分の料金を駅入口においてある運賃箱に入れておけばよいだろう。

ree

 

駅には、日本最南端を示す看板がもう一つある。JRの日本最北端・最東端・最西端・最南端の駅が地図で示される看板が設置されているのだ。最北端・最東端は北海道だが、最西端はJR九州の佐世保線が走る、長崎県の佐世保駅になっている。ちなみにこの最南端の緯度は、中国の上海やエジプトのアレクサンドリアなどがあるという。

ree

駅は1面1線の単線駅で待合室などはないが、駐車場は何台か止められるスペースはある。またツアー客を乗せた貸切バスも来ることがあり、無人駅ながら見物客で賑わうようだ。駅前では、夏にはひまわりが咲き誇り、より夏らしい写真が取れるだろう。駅の向かいには商店もあり、お土産物やスイーツも販売しているほか、電動アシスト自転車の貸出やJR日本最南端の駅到着証明の販売・絵葉書も発売している。

 存在感が大きい標高924メートルの開聞岳は、最後に噴火をしたのは885年とかなり昔ではあるが、実は火山である。薩摩富士と呼ばれ、国立公園に指定されており、登山も可能。山頂からは屋久島や霧島も望めるという。鹿児島市内からも天気が良い時は開聞岳を見ることができる。だが開聞岳には悲しい一幕もあり、太平洋戦争末期に知覧から出撃した特攻隊員が開聞岳に別れを告げて戦地へ行ったことが語り継がれ、特攻隊員が見た最後の本土の景色が開聞岳であったという、そんな過去も持つ山である。

ree

 そして西大山駅において、必ず紹介するべきものはこれ。幸せの黄色いポストである。長崎からレトロなポストを取り寄せ、いぶすき菜の花マーチの実行委員会によって黄色に塗り替えられた。「開聞岳のすばらしい景観を見て幸せな気持ちを他の人に届けてほしい。」そんな願いが込められて呼ばれるようになった幸せの黄色いポストは、平成22年に完成したという。飾りではなく、日本郵便の郵便ポストのため、ハガキや手紙を出すと郵便局が時間になったら回収に来て、きちんと相手のところまで届く。ここから手紙を出すと、幸せが訪れると言われている。

 西大山駅は、毎年1月に行われるいぶすき菜の花マーチのコースになっており、西大山駅の価値を高め、菜の花をモチーフにした黄色いポストを設置したいという、ある実行委員長からの提案で生まれたという。江戸時代から育てられてきた菜の花は、現在指宿市のイメージカラーで、菜の花の名がついたイベントが指宿では多く実施されている。ちなみに指宿枕崎線を走るキハ200系も、菜の花がモチーフに黄色い塗装がされている。


 今年の夏に出かける予定が決まっていない方、鹿児島市内から車で1時間40分ほど訪れることのできる、幸せと雄大な景色を眺められる駅を訪れるのもいいのかもしれない。(記事文作成:運営記者)


 
 

最新記事

すべて表示
九州郵船 高速船新造 川重が8年ぶりに製造へ

北部九州から長崎県の対馬・壱岐を結ぶ船会社の九州郵船は21日、新たな高速船(ジェットホイル)を導入することを発表した。製造は川崎重工が担い、引き渡しは4年後の2029年6月の予定。鉄道建設・運輸設備整備支援機構と九州郵船の共同発注で、九州郵船のジェットホイル新船は、予定通りの導入で行けば1991年以来38年ぶりの新船となるほか、製造先の川崎重工業も8年ぶりのジェットホイル製造となる。 新しいジェッ

 
 
bottom of page