仙厳園前バスがついに移動 鹿児島交通は安全性理由に同バス停廃止へ。
- 交通報道 史旅編集
- 8月29日
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仙厳園前のバス停問題に28日動きがあった。鹿児島県バス協会は、仙厳園前バス停の移動を行った。新しいバス停標識を同日の日中に設置され、以前まで設置されていた道路沿いのバス停は、同日夕方から夜の間に撤去された。
今年4月までに3回の勧告を受けたが、県バス協会は移動することはなく、今月6日に、国は県バス協会に8月末までに移転するよう命令を出していた。
そして、仙厳園前バス停を使用する鹿児島交通が、鹿児島方面の仙厳園バス停の8月末での廃止を決めた。

今回のバス停移動の騒動は、渋滞緩和対策の一環によるもの。仙厳園前の交差点では、鹿児島市街地へ行くため、道が左折と直進の2本に分岐される。信号を左折すると、海沿いを経由し鹿児島本港(桜島フェリーターミナルや高速船ターミナルのあるエリア)へと繋がり、もう一つは、信号を直進し坂を上がってトンネルを抜け、鹿児島市吉野からの道路と合流し山下町方面(鹿児島市役所や裁判所などの官庁施設が集まるエリア)へ繋がる道路に繋がる。以前まではこの分岐の交差点の車線が1本しかなく、渋滞が長い距離に渡って起こっていた。そこで国は、渋滞緩和を目指して「国道10号磯地区事故対策事業」を実施。左折車線を新たに設置し、渋滞緩和へ向けて道路整備を行った。
そして国は、今回の工事に伴って支障が出ている左折車線沿いのバス停を、県バス協会に新設されたバスベイ(バスが停車して乗降させるスペース)への移動を求めたものの、県バス協会は応じることはなかった。各社報道によると、仙厳園前のバス停は、南国交通と鹿児島交通の2社が利用しているが、鹿児島交通が移動に反対を示したという。その後、国は3回に渡って移動勧告を行ったが、県バス協会はこれにも応じず、ついに国は移動命令の行政処分を県バス協会へ下した。命令の理由としては、
・移設されないことで、計画上必要な車線幅員が確保できずに、安全走行が妨げられている。
・バス停車時に、左折車線にバスが止まることにより、後続車両の滞留が発生し、渋滞が発生している。
・バス停車時に、左折レーンにいた車両がバスを追い越そうと、直進レーンへ追い越しする際に、直進レーンを走る車両との接触事故を防ぐため。
国はこの3点を挙げた。そして28日、県バス協会はバス停の移動を実施し、新たなバス停標識を、国が作ったバスベイ内に設置した。

これで終わるかと思いきや、28日夕方に鹿児島交通は仙厳園前バス停の鹿児島方面を8月31日で廃止させることを決めた。鹿児島交通は廃止の理由として、
・新たに設置されたバスベイ(バスが停車して乗降させるスペース)が、T字路交差点内にある点。
・バスベイから走行車線に戻る際、次の信号までの短い区間で2車線分の車線変更を行わないといけない点。
・仙厳園前などの施設利用者がバス停まで行く際、信号を2回経由する必要があり、運行の安全性が確保できず、利用客を危険な場所で乗り降りさせることはできない。
の3点を挙げた。
安全を確保するべく適切な場所への停留所を移設すべく、占有申請をしたものの、国からの許可が下りなかったという。
仙厳園前発着の定期券所有者で、継続が困難な利用者には、日割りで返金を行うとし、定期券有効期間内までに窓口に出すよう求めている。
今回の仙厳園前のバス移転騒動。SNSでは、ようやく落ちついたのかという声もあれば、鹿児島交通の対応に難色や批判を示す声があった。一方で、鹿児島交通の移転反対に理解を示す声や、今回の廃止の対応に潔いと感じる声も難色や批判を示す声より多くはないが、あった。また、今回の対応を予想していた声もあった。(記事文作成:運営記者)


