おれんじ食堂が指宿枕崎線に初めて乗り入れ 地元高校生がもてなしで乗客笑顔
- 交通報道 史旅編集
- 9月21日
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20日、肥薩おれんじ鉄道の観光列車「おれんじ食堂」が、JR九州の指宿枕崎線に初めて乗り入れた。鹿児島中央駅から山川駅を1往復し、山川駅では地元の山川高校の生徒や関係者らが出迎えた。

12時過ぎ、鹿児島中央駅方面から現れたのは、2両編成の青い列車。肥薩おれんじ鉄道の観光列車「おれんじ食堂」だ。20日の1日限りで、JR九州の指宿枕崎線に入線し運転をした。今回の乗り入れは、指宿枕崎線の活性化の一つのヒントにという事と、肥薩おれんじ鉄道の運転士不足に伴って、おれんじ鉄道線内を走れないおれんじ食堂車両を活用するべく、南国交通観光がツアー化させて走らせた。
山川高校の生徒や関係者らが、山川駅に到着した列車を出迎え、乗車客らはもてなしを受けながら、バスで観光に向かった。

鹿児島中央駅から山川駅まで乗車した女性は、今回の初乗り入れで乗ってみたいと思い静岡から乗車したという。今回のおれんじ食堂や山川駅のイベントの感想を聞くと、「皆さんが温かく対応してくださって、クルーの方もそうですし、鹿児島中央出発時も盛大なお見送りがあったりとか、客としてきたときにおもてなしをされているなという感じはすごくしました。」と話してくれた。また乗ってみたいかと記者が尋ねると、もちろんです!と笑顔で答えてくれた。
山川駅からおれんじ食堂で鹿児島中央駅まで向かう夫婦は、おれんじ食堂に乗ったことはなく、今回乗るのは初めてだという。車内では食事が楽しみだと笑顔で話してくれた。

おれんじ食堂の指宿枕崎線へ初めての乗り入れ。鉄道を愛する人たちにも、興味関心は高いようだ。ある鉄道が好きな方は、「おれんじ食堂も好きですし、鹿児島も好きなので、これは撮りに行かなきゃなと思って」わざわざ東京から来たという。指宿枕崎線に初めて入線したことについては、「新鮮ですね!まさかJR線にほんとに入ってくるとは思わなかったので」と嬉しそうに話してくれた。現在おれんじ食堂は定期列車は運休しているため、今後他の路線にも入ってほしいと期待していた。

山川駅内で目立ったのは、高校生たちの活躍だ。駅から車で5分ほどの距離にある山川高校。生徒らによるおもてなしが行われていた。校内のボランティア募集に応募した生徒たちが、お茶のふるまいや鰹節削りの体験、物品販売や生徒らが作成した、豆を使ったレシピのパンフレットなどを配布し、利用客を楽しませた。
参加した生徒は、「地域の方や観光の方に、指宿のことを伝えられて嬉しかった」と話してくれた。乗車客らに人気があったのは抹茶。生徒が自ら立て提供した。話を聞くと、今回提供したいと、生徒が一から勉強をして準備したという。「初めてしたんですけど、みんな美味しいと言って頂けて、とても嬉しかったです。」と話してくれた。飲んだ人が口をそろえて美味しいと言っていた。
山川高校の 土器屋 教頭先生は、「サービスなどが(利用客に)喜こんでいただけたものですから、やってよかったと思ってますし、今日参加した生徒はすごくやりがいを感じたんじゃないかなと思います。」と話した。

肥薩おれんじ鉄道の中村 誠希 社長は、おれんじ食堂が初めて走ったことに感動しているとし、多くの方々におれんじ食堂を歓迎していただけて、ほんとに良かったと語った。今後に関して聞かれると、「おれんじ鉄道区間外で走らせたことで、皆様喜んで頂けた。またこういう機会があれば、沿線以外でも走らせていきたいと思っている」と話し、またおれんじ食堂を早く運転再開させるよう頑張っていきたいと話した。
JR九州鹿児島支社の宮崎 恵介 副支社長は、おれんじ食堂の乗り入れがお客様にも喜んでもらえて、また沿線でも手を振ってもらえて、おれんじ食堂の人気の高さを目の当たりにしていると話し、今後の指宿枕崎線の活動について聞かれると、「今回の取り組みや、他の賑わいづくりを通して、より多くのお客様がご利用いただけるように、私たちも色々イベント等企画していきたい」と話した。

列車は13時10分に山川駅を発車。横断幕や旗を持って、乗客を見送った。おれんじ食堂の指宿枕崎線初乗り入れは、乗客からの評価も高かったようで、おれんじ食堂・指宿枕崎線と両方の良さを感じられる時間になったようだ。(記事文作成:運営記者)



