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訪日外国人に新幹線代補助に波紋広がる ー意見飛び交う鹿児島県の予算案ー

鹿児島県が発表した、訪日外国人客(インバウンド)を対象に、博多―鹿児島中央間の新幹線運賃を片道分全額助成するという事業案が、SNS上で大きな波紋を広げている。県は観光の「稼ぐ力」向上を目指し、福岡からの誘客を図る狙いだが、県民や国内旅行者からは「なぜ外国人だけなのか」「税金の使い道として適切か」といった厳しい批判が相次いでいる。塩田知事は、欧米豪や東南アジア(シンガポール、タイ、ベトナム等)をターゲットとし、福岡から入ってくる観光客への移動コストを補助することで、観光需要を喚起したい考えだが、SNSでは批判的な意見が多い。


■「日本人差別」「身内より優遇か」噴出する不満


SNS上の反応で最も目立つのは、国内居住者が対象外とされたことへの不公平感を訴える声だ。「日本人はどうして片道無料にしてくれないのか」「日本人差別だ」といった強い言葉が並ぶ。特に、切実な生活実感に基づいた意見が重みを持つ。「高速バスで片道5時間かけて孫に会いに行っている。新幹線が無料ならもっと会えるのに」「県外に進学して就活する学生にこそ助成すべき」といった、家族との交流や若者支援よりも外国人観光客が優先されていると感じる層からの反発は根強い。


■ 知事が語る「苦肉の策」と「勝算」


塩田康一知事は10日の記者会見で、この施策の背景にある厳しい現状を説明した。「香港便は運休、上海便については欠航が続いている」とし、好調な韓国便も季節変動があることを指摘。鹿児島空港の国際線が完全には復調していない現状を認めた上で、「福岡空港や関西空港から入国する外国人は多い。そうした方々をいかに鹿児島に連れてくるかが課題」と述べた。今回の事業は、欧米豪や東南アジア(シンガポール、タイ、ベトナム等)をターゲットとし、移動コストを補助することで「鹿児島に来るハードルを少し下げる」ことが最大の狙いだという。


■ 「二刀流」戦略への理解求むも…


また、塩田知事は直行便の再開・維持と新幹線活用を組み合わせた「二刀流」の構想も披露。「行きは福岡から新幹線で入り、帰りは鹿児島空港から直行便で帰る」といった周遊ルートの構築を視野に入れており、新幹線による流入が結果的に空港の利用促進にもつながるとの認識を示した。しかし、こうした「投資」としての側面を強調する行政に対し、SNS上では納税者としての不公平感を訴える声が止まない。


■「血税」の費用対効果を問う声


原資が税金であることに対し、納税者としての厳しい視線も注がれている。「私達の血税。費用対効果を県民に説明する責任がある」「助成がなければ行かないような層が、現地で金を落とすとは思えない」など、施策の実効性を疑問視する意見も多い。  また、塩田康一知事や県政に対し、「県民はそこまでして訪日外国人に来てほしくない」「オーバーツーリズム推進なんてどうかしている」と、観光公害やインバウンド偏重への懸念を示すコメントも見られた。


■「日本人は既に助成がある」冷静な指摘も


一方で、批判一色ではない。今回の施策を「投資」と捉える冷静な意見も見られる。「福岡市内は韓国人観光客が多い。鹿児島への流入を促進するには必要」「新幹線代を無料にする代わりに、宿泊費や飲食代が増える可能性がある」といった、経済効果に期待する声だ。  また、批判の過熱に対し、「県民含む日本人が利用できる観光支援(『南の宝箱 鹿児島』キャンペーンなど)は既にやっている」「外国人から搾り取るための投資という本質が見えていない」と、既存の国内向け施策とのバランスや、戦略的な意図を指摘するユーザーもいた。


県は今回の事業で「稼ぐ力」の向上を掲げるが、物価高や交通費の負担にあえぐ県民感情との乖離が浮き彫りになった形だ。施策の実施にあたっては、経済効果の具体的な見通しと、県民への丁寧な説明が求められそうだ。

 
 
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