特急「指宿のたまて箱」運行15周年 累計150万人が利用、「鹿児島の宝を世界へ」
- 鹿児島地域交通通信社
- 4 日前
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更新日:3 日前
JR九州の観光特急「指宿のたまて箱」が運行開始から15周年を迎え、20日、鹿児島中央駅(鹿児島市)で記念の出発式が開かれた。2011年3月12日のデビュー以来、これまでに累計約150万人が利用した同社の看板列車の一つで、関係者や地元の高校生らが集まり大きな節目を祝った。
快晴に恵まれた4番のりばでは、指宿市立指宿商業高等学校の和太鼓部による力強い演奏が式典の幕を開けた。
杉谷昌紀駅長は挨拶で、同列車が毎日3往復運行し、九州を代表する観光特急「ゆふいんの森」に匹敵する規模であることを紹介した。慈眼寺駅を過ぎた高台から望む錦江湾と桜島や、宮ヶ浜駅付近の長渕剛さんの歌碑越しに見える知林ヶ島といった美しい車窓風景を紹介。「年間約9万人が利用し、近年は外国人客も増加している。毎朝駅員が『行ってらっしゃい』と書かれたうちわで見送ると、喜んで手を振り返してくれる」と日々のエピソードを披露した。
式典では、一日駅長に委嘱された指宿市立指宿商業高等学校2年生の出口柚葉さんと西本南行さんがスピーチを行った。両名は、地元を活気づける「指宿茶いっぺプロジェクト」の活動に触れ、運行開始当初から先輩たちが指宿駅でのお茶の振る舞いや手振りで観光客を歓迎してきた歴史を紹介。「これからも『指宿のたまて箱』を愛し続け、地域活性化へとつなげていきたい」と次世代としての決意を述べた。
二人は指宿商業高校が行う会社「株式会社指商」の統括事業本部に所属し、指宿駅や指宿地域にある店舗などでの販売実習や、指宿の植物や特産品を仕入れて販売する活動などを行っているという。西本さんは「普段から通学にJRを利用しているので、こういう形(一日駅長)で恩返しできるのが嬉しいです。」と話し、出口さんは「この玉手箱への思いや気持ちを込めて、この文(挨拶時に話す内容)を読んだり、出発の合図ができるといいなと思っています。」と意気込みを出発式が始まる前に語った。今回の1日駅長は、それぞれ立候補で選ばれたという。

午前9時56分、杉谷駅長や一日駅長らが並んで出発合図を送ると、満席となった1号が鹿児島中央駅を発車した。ホームでは先着50名に菜の花と指宿温泉サイダー引換券が配られ、指宿市の花である「菜の花」やお見送り用の旗を手にした人々が、指宿に向け走り出した列車を見送った。


15周年を記念し、車内ではかつて販売され人気を博した「カメロンパン」(350円)を22日まで数量限定で復刻販売している。また、地元雑貨店「カゴマニア」がデザインした記念スタンプが約1年間にわたり車内に設置され、記念乗車証に押して持ち帰ることができる。同日はアミュプラザ鹿児島でも特別ブースが設けられ、祝賀ムードを盛り上げている。また20日の20時まで、鹿児島中央駅のAMU広場で開催されている「かごんま本格焼酎酒場」イベントにいぶたまブースを設置しており、普段は指宿のたまて箱の車内でしか買えない商品を販売している。
報道各社の取材に応じた杉谷駅長は、列車の特徴である白と黒のツートンカラーに触れ、「特に『黒』は鹿児島のシンボル。この列車は鹿児島の宝であり、鹿児島から九州、日本、そして世界に向けて光り輝く存在に育てていきたい」と力を込めた。今後の展望について杉谷駅長は、「車内イベントを充実させるだけでなく、列車を活用したツアーなどを通じて、地元の皆さんと一緒に地域をさらに盛り上げていきたい」と地域連携への意欲を話した。また車内で実施されている車内販売に関して、今後も魅力ある商品開発を行っていきたいと意気込んだ。




